「女戦士の石」が、耳元で揺れる休日──アマゾナイトのイヤリングができるまでの話
ギリシャ神話の女戦士アマゾネスの名を持つ天然石・アマゾナイト。初夏のエメラルドグリーンが揺れる新作イヤリングの制作ストーリーと、休日コーデの合わせ方をお届けします。

正直に言うと、この石を仕入れた日、しばらく手のひらの上で転がして眺めてました。
仕事の手を止めて。
アマゾナイトって、写真で見たことがある人は「緑色の石でしょ?」と思うかもしれない。
でもうちに届いたこの子たちは、緑色というより、もっと深くて鮮やかなエメラルドグリーン。6月の紫陽花の、光が透けた部分の色。あるいは、雨上がりの朝に窓を開けたとき目に飛び込んでくる、あの新緑。
──この色を、耳元で揺らしたい。
そう思ったのが、このイヤリングの始まりです。

アマゾナイトという名前には、ちょっと面白い話があります。
由来はギリシャ神話の「アマゾネス」。ご存じですか。誰の力も借りず、自分の腕で道を切り拓いた女戦士の集団。
その名前を冠した石なんです。和名は「天河石(てんがせき)」。アマゾン川をイメージしてつけられた名前──なのに、アマゾン川の周辺では一度も産出されたことがない。名前だけが先に走って、実物があとから追いかけてきたような石。
なんだか、ちょっと人間っぽくないですか。 肩書きとか、周りからの期待とか、そういうものが先に走っていって、自分の本体はまだ追いついてない感じ。
……40歳前後の、仕事も家庭もぜんぶ抱えてる私たちには、妙に刺さる話だなと思いました。

女戦士の名前がついた石
アマゾナイトの石言葉は「希望」
古くから「迷いを手放して、次の一歩を後押しする石」と言い伝えられてきました。真偽はわかりません。
でも、この色を耳元に着けた朝、鏡の中の自分がほんの少しだけ機嫌よく見えたとしたら、それはもう十分じゃないかと、私は思う。

-----合わせ方の話-----
このイヤリングはオフの日用に作りました。
オフィスで使えるサイズ感のアクセサリー(インフィニティシリーズ)、こっちは「休日の、自分のための時間」を作るイヤリング
白Tにデニム、足元はサンダル。それだけ。 耳元にグリーンが揺れてるだけで、「ちゃんとサボれてる大人」になれる。たぶん一番好きな組み合わせ。

もうちょっとお出かけ感を出すなら、ベージュのリネンワンピース一枚。風が吹くとチェーンが揺れて、急にカフェテラスが似合う人になります。

あと、意外だったのが黒。 黒のVネックにこのグリーンを合わせると、ぐっと大人っぽくなる。カーキのワイドパンツなんか合わせたら、雑誌の1ページみたいな配色になります。

-----顔タイプ-----
このイヤリング、構造が少し変わっていて、上の多面カット部分は直線的な印象、下のチェーン+粒の部分は曲線の印象を持ってます。だからフレッシュさんやクールカジュアルさんには上の部分が、エレガントさんやフェミニンさんには下の揺れ感が、それぞれ呼応する。結果として、どの顔タイプの方にも割としっくりくるバランスになってます。
これは狙ったというより、石の粒のサイズとチェーンの長さを何度も調整しているうちに、たまたまそうなった。嘘つけないので正直に書いておきます。
最後に、ひとつだけ。
この石の色が鮮やかなエメラルドグリーンになる理由は、結晶の中に含まれた微量の鉛です。「鉛」と聞くとどきっとするかもしれませんが、結晶構造の内部に完全に閉じ込められたもので、身に着けて肌に影響が出ることはありません。むしろその鉛のおかげで、他のどの石とも違う、この色が生まれてる。
不純物が、美しさの理由になる。
──これもまた、なんだか人間っぽい話だなと思って、私はこの石がますます好きになりました。
土曜日の朝。子どもたちがまだ起きてこない静かなリビングで、鏡の前に立って、耳元にこの石を揺らしてみてください。
3秒で終わるルーティン。
でもその3秒で、今日は「お母さん」じゃなくて「私」の一日になる。